平屋のローコスト住宅を建てる場合の注意点とは?

格安の建築費用でマイホームを購入するために、平屋を選択するという方法があります。平屋を選択すると建物の建築費用を抑えることができ、場合によっては500万円~1千万円という超低価格で注文住宅を建てられるケースもあります。建築費用を抑えることができれば住宅ローン返済の負担が軽くなりますし、建物の構造が安定しているので地震や台風に強いというメリットがあります。ただし平屋にはデメリットもあり、ローンを組んだり間取りを設計する場合の注意点を知っておくことも大切です。
ローコスト住宅の多くは、限られた土地を有効活用して多くの居住空間を確保する目的で、2階建てまたは3階建ての建物をベースにして規格化されています。そのためローコスト住宅メーカーや工務店の中には平屋を扱っていないケースもあり、選択可能なハウスメーカーが限られてしまう場合があります。ローコスト住宅の多くは規格化により坪単価が低くなるように設計されているケースが多く、平屋を選択すると坪単価が割高になって“ローコスト”のメリットが薄れてしまうかもしれません。
マイカーをお持ちの方であれば自宅の敷地内に車庫を設ける必要がありますが、平屋を選択して駐車場を設置するためには広い敷地が必要になります。建物の建築費用が節約できたとしても、土地購入のために多額の費用がかかってしまう恐れがあります。
銀行などから住宅ローンを利用する場合は、建物の大きさや構造によっては審査が厳しくなる可能性があるので注意が必要です。一般的に住宅ローンの審査では、年収・勤務先・勤続年数・本人の健康状態・担保価値などが総合的に評価されます。平屋を選択する際に問題になるのは担保価値で、一般的な2階建て住宅と比べ建物の評価額が低く算定される恐れがあります。
住宅の担保価値を算定する際は土地と建物の両方が考慮されますが、住宅の場合は住居としての利用価値が評価の対象となります。平屋だと土地の面積あたりの床面積が少なくなるので、建物の価値が低く見積もられる傾向があります。土地の価値が低いと融資してもらえる金額が低くなったり、住宅ローンの審査そのものにパスすることができないケースも考えられます。
平屋の住宅は建物の価格を低く抑えられることに加えて、家の中に階段がないことや太陽光発電設備を設置しやすいなどのメリットがあります。そのかわりにハウスメーカーの選択肢が少なくなったり、住宅ローン審査が難しくなるなどのデメリットがあるので注意しましょう。
